レンタル世界

 私が最近読んだ朝井リョウ著「レンタル世界」にはこんな話が出てきます。

主人公の雄太は、「全部さらけ出し合えば本物の信頼関係が結べる」と考えています。

しかし、その雄太は先輩の結婚式に行き、新婦の友人に恋心を抱くが、その友人はレンタルされて結婚

式に出席していたことがわかります。

また、料理上手で美人な奥さんがいると評判の先輩の家に招かれ、そこで楽しい時を過ごしてきたの

に、先輩の奥さんはレンタルされていたことがわかります。

 レンタルでも何でも人間関係が上手くいけばそれでかまわないの?所詮、人間関係なんて偽りの想像で

成り立っているの?一人ひとりの人間が独自の世界を作り上げているのだから、人間関係なんてその世

界のぶつかり合いなの?

そんなことを考えさせてくれる、とても面白い一冊でした。みなさんも読んでみてください。

朝井リョウは2013年に第148回直木賞を受賞しています。

第161回の直木賞は誰になるのでしょうか。

      司書の先生が候補作を挙げてくれました